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コラムColumn

「立体駐車場の点検は義務なの?」点検の必要性と問題点

マンションなどの立体駐車場は維持費が高い設備ですが、利用者が安心・安全に使用するために点検は必要不可欠です。

特に立体駐車場の場合は、故障すると車の入出庫ができず利用者に迷惑がかかり、それだけでなく安全面にも問題が発生します。

しかし「点検は面倒だし費用もかかるので必要ない」と思っている方もいるかもしれません。

本コラムでは、立体駐車場の点検の必要性と問題点について考えていきます。

目次

立体駐車場の点検は義務なの?

駐車場には、平面駐車場と立体駐車場があります。


 


・平面駐車場


地上や地下の平らなスペースにある駐車場


 


・立体駐車場


機械式と自走式があり、機械式は機械装置で車の入出庫を行う駐車場


自走式はスロープなどで各階層の駐車スペースに自分で車を運転する駐車場


特に機械式立体駐車場は点検を怠ると、安全性の問題が生じてしまいます。


 


一般的な機械式立体駐車場の構造物としての法定耐用年数は15年と言われています。


法定耐用年数とは、15年経ったら使用できなくなるわけではなく、減価償却費を算出するためで寿命ではありません。


 


※減価償却:時の経過につれて資産価値がへっていくものを減価償却資産とし、経費計上を取得した段階で全額するのでなく耐用年数に応じて分割して経費にすること。


 


■機械式立体駐車場の寿命は何年?


定期的に点検をしっかり行っていれば、法定耐用年数の15年より長く使用可能です。


一般的には定期的に点検を行えば、20年~25年使用可能ですが、点検を行わない場合は法定耐用15年に満たない場合もあります。


 


■機械式立体駐車場の点検は義務なの?


点検を怠ると、塗膜の劣化、サビ・腐食により、機械の寿命を縮めるだけでなく、重大な事故につながるかもしれません。


安心・安全に使用するためにも、機械式立体駐車場の点検は必要なのです。


機械式立体駐車場の点検はエレベーターと違い法定点検ではありません。


しかし、国土交通省が管理者の責任と取り組むべき内容を「機械式駐車設備の適切な維持管理に関する指針」と「機械式立体駐車場の安全対策に関するガイドライン」で策定しています。


 


・機械式駐車設備の適切な維持管理に関する指針(第二章第1)


管理者は、自ら適切に保守・点検を行う場合を除き、保守点検契約に基づき、機械式駐車設備の使用頻度に応じて、定期的に保守・点検を保守点検事業者に行わせるものとする。


※機械式駐車設備の適切な維持管理に関する指針より引用


 


・機械式立体駐車場の安全対策に関するガイドラインⅣ-4 管理者の取組


装置の安全確保のための維持保全を行うこと。装置が正常で安全な状態に維持できるよう、機種、使用頻度に応じて、1~3ヶ月以内に1度を目安として、専門技術者による点検を受け、必要な措置を講じること。


※機械式立体駐車場の安全対策に関するガイドラインより引用


 


機械式立体駐車場の点検が必要な理由は、事故をおこすことなく正常で安心・安全に末永く使用するためなのです。


「立体駐車場の点検をしないとどうなる?」問題点とは

■メーカー部品の供給問題


機械式立体駐車場の点検は必要ですが、劣化を避けることはできません。


状態にもよりますが、20~25年程度経過すると、設備の変更が必要になります。


経過年数によっては、供給不可能な部品があり修理ができなくなる可能性があります。


定期的な点検を怠ったことで、むしろ費用が高くなってしまうかもしれません。


 


■事故の危険性


点検を怠ったことによる、塗膜の劣化、サビ・腐食により車台パレットの落下事故が発生しています。


事故を調べると、メーカーが推奨する定期交換時期を超えて使用したための経年劣化が原因とみられています。


 


このような問題を防ぐために機械式立体駐車場の点検は必要です。


定期点検をし、部品が壊れるまえに交換をすれば、このようなリスクを下げることができます。


機械式立体駐車場の修繕チェック

■立体駐車場の修繕タイミング


10年 電動機等(電動機、駆動軸軸受、車輪、チェーン・スブロケットなど)


光電管


8年  電気部品(電気部品、落下防止装置等)


5年  塗装工事(柱、梁、パレットなど)


制御基板等(制御基板、昇降インバーター、リミットスイッチなど)


4年  操作盤基盤等


 


使用状況により修繕タイミングは変わりますので、注意が必要です。


パレットや鉄骨が腐食している、故障が多発してきた場合は、緊急性が高くなりますので、メーカーや点検業者に相談しましょう。


 


■セルフ点検


「装置が作動せず入出庫ができない」故障の場合もありますが、もしかしたらゴミがセンサーに感知して正常作動ができないのかもしれません。


また車が大型化したため、装置の規定内の車(車高、最低地上高、重量など)か確認も必要です。


未然に防ぐことができることもあるので、日頃からセルフ点検をしましょう。


 


・駐車装置のまわりにゴミや落ち葉など落ちていませんか


・パレッドにゴミがありませんか


・センサーのまわりに余計なものを置いていませんか


・車の大型化で車長センサーが感知できない (車高、最低地上高、重量など)


・車が正しく駐車されているか


 


ゴミなどを除去するときは安全に十分注意して行いましょう。


ゲートなどは乗り越えず、危険な箇所の場合は、必ず点検業者に連絡してください。


まとめ

機械式立体駐車場を維持するためには、費用がかかります。


しかし定期的に点検をすることで問題点をみつけ、適切なタイミングで部品交換や再塗装などメンテナンスをすることにより、より長く安心・安全に使用できます。


定期的な点検を怠ったため、むしろ維持費用が高くなってしまうかもしれません。


機械式駐車装置を良好な状態に保ち、資産価値を落とさない為にも定期的な点検をおすすめします。