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コラムColumn

マンションやビルの大規模修繕工事とは?~大規模修繕の目的と内容について解説します~

マンションは耐久性があっても、雨風や日射などの影響で、時間の経過とともに劣化していきます。

そのため建物を維持するには定期的な修繕が必要になります。

特に、足場を組んで行う広範囲にわたり工事をする「大規模修繕工事」は、建物の安全性と資産価値を保つために欠かせないものです。

この大規模修繕工事は多岐にわたり、実施のタイミングにとって修繕する対象箇所が異なります。

大規模修繕工事を適切なタイミングで実施するには、その目的や内容を正確に理解することが大切です。

今回は、大規模修繕の目的と内容について解説します。

 

目次

マンションやビルの大規模修繕工事とは

マンションやビルは建築基準法に基づいた建築なので、耐震性や防水性の基準は満たされていいます。


しかし、時間の経過による経年劣化は避けることはできません。


「大規模修繕工事」とは、経年劣化したマンションやビルの外観や設備などを定期的に修繕することです。


普段修繕することが難しい、建物本体(躯体)や共用部分の修繕を大規模修繕工事で行います。


大規模修繕工事は工事期間も長く、費用も高額なので計画的に行う必要があります。


 


大規模修繕工事の目的

・経年劣化したマンションの機能と性能を回復する


マンションの外壁の塗装やタイルは美観だけでなく、構造部のコンクリートを雨風や日射から保護する役割があります。


また屋上やバルコニーの防水処理や鉄製の階段などの塗装も保護するために塗られています。


これらの塗装や防水層も雨風や日射により劣化していきます。


このためひび割れやはがれた箇所があると、雨水が入りコンクリートを痛める原因になります。


コンクリートの内部の鉄筋まで雨水が入り込むと、鉄筋がサビのため膨張しコンクリートを押上げて、その結果コンクリートを割ってしまうので建物強度も下がります。


建物を維持するためには、深刻な損傷が発生する前に小さな損傷を修復することが重要です。


そのため定期的かつ計画的に大規模修繕工事を行い、マンションでは通常12~15年ごとに計画・実施されています。


 


・資産価値を守る


建物を維持するだけでなく、時代のニーズにあった状態にすることで資産価値を守ることができます。


マンションは何十年と長く住むものなので、時代やライフスタイルの変化とともにニーズが変わってきます。


不便な設備は改良したり、新しい設備を取り入れることで、資産価値が守られます。


例えば、スロープや手すりを設置してバリヤフリー化にしたり、防犯カメラや宅配ボックスの設置なども挙げられます。


大規模修繕工事の内容

・大規模修繕工事の工事期間


工事期間はマンションの規模により違ってきます。


 


【工事期間の目安】


小規模マンション(50戸未満)  3~4カ月程度


中規模マンション(50~100戸)  4~6ヶ月程度


大規模・タワーマンション(100戸以上) 6ヶ月~1年程度


 


工事の1年~1年半前にマンション管理組合内で、建物診断や施工会社の選定など準備をはじめます。


築年数の経過したマンションの場合、検討する項目が増える可能性があるので準備期間に余裕を設けたほうが良いでしょう。


 


・大規模修繕工事の内容


 


【下地補修工事】


外壁や屋根の塗装をする前に、劣化した箇所やひび割れの補修をします。


【タイル補修工事】


調査診断をし、タイルの劣化や浮きを補修します。


タイルの劣化による落下事故などの防ぐための重要な工事です。


【シーリング工事】


シーリングの剥がれやヒビは建物内部や鉄部の劣化に影響するので補修します。


シーリングの補修をすることにより、建物の気密性が高まり、断熱性も向上します。


シーリングとは、外壁タイルのつなぎ目にあるゴムのような素材です。


【外壁塗装工事】


外壁の塗装工事は、外観だけでなく防水性や断熱性を保つ役割があるので、大規模修繕の必須工事です。


外壁塗装は、下塗り、中塗り、上塗りの工程があり、臭いが気になる場合もあります。


【鉄部塗装工事】


扉や外階段、手すりなどの鉄部の塗装をします。


共有部分の見た目だけでなく耐久性を保つためにも重要です。


【防水工事】


屋上やベランダなどは、雨水や汚れなどからコンクリートを守るため防水工事が必要です。


シート防水や塗膜防水があり、防水層に破れ、シワ、ふくれなどの症状がある場合は早めに補修が必要です。


 


・大規模修繕工事の周期


新築時の建材保証期間が10年程度のものが多いので、一般的な目安は12年~15年周期と言われています。


しかし、近年は耐久性や防汚効果など材料の進化もあるので、修繕までの周期を18年に延ばし修繕費用を抑えるマンションも増えてきています。


 


まとめ

鉄筋コンクリート造のマンションやビルの耐久性は100年以上と言われています。


そのためには、適切なメンテナンスが必要です。


大規模修繕工事は、補修するだけではなく、劣化の防止や建物のバージョンアップにもつながります。


しかし、工事の規模も大きいために専門的な知識がないと判断が難しい場合もあります。


自分たちのマンションやビルの資産価値を守り、長く安全に快適に使うためにも必要な大規模修繕は、実績豊富な椎名創建にお気軽にご相談ください。