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コラムColumn

マンション大規模修繕工事のトラブルとは?未然に防ぐ3つの対処方法

10年~15年周期で行うマンションの大規模修繕工事。

マンションは戸建てと違い多くの人が暮らしている中での工事なので、安全面での配慮が必要です。

また大規模修繕工事は多額の費用と時間も要するためトラブルの可能性もあります。

業者や近隣住民とのトラブル、費用のトラブルなど内容はさまざま。

このようなトラブルを回避するためにも、事前に起こりえるトラブルと対処方法を把握する必要がります。

今回は、大規模修繕工事のトラブルとその対処方法について解説します。

目次

マンションの大規模修繕工事の必要性~資産価値を守る~

マンションの大規模修繕とは、経年劣化や災害などによる損傷を修繕し、マンション建築当時の建物の状態までに回復させる工事です。


修繕の対象は、外壁、廊下、バルコニーなどの共有部で、建物の劣化を防止します。


適切な周期での大規模修繕は建物の寿命を守り、また安心・安全で快適な環境にすることで、マンションの資産価値を守ることができます。


そのためマンションの大規模修繕工事は必要なのです。


マンションの大規模修繕工事のよくあるトラブル

【大規模修繕工事前のトラブル】


●修繕積立金の不足


よくあるトラブルに「工事費用の不足」があります。


分譲マンションでは、居住者の方から長期修繕計画を元に修繕積立金を収めてもらいます。


長期修繕計画とは、向こう25~30年の修繕計画や収支をまとめた計画書です。


この修繕計画の工事費用が安く見積もられていた、また必要な工事内容が組み込まれていないなどの場合、工事費用が不足します。


また居住者の修繕積立金の滞納や入居率の悪化も工事費用の不足の原因となります。


 


●修繕委員会のトラブル


大規模修繕を進めるのは、管理組合で構成される「修繕委員会」です。


修繕委員会は、コンサルタントや工事業者の選定などを行います。


修繕委員会のトラブルでは、「意見がまとまらない」「出席率が悪い」があげられます。


全員が集まる時間がとれない、また大規模修繕に対しての知識不足から意見がまとまらないなどが原因です。


 


【大規模修繕工事中のトラブル】


●騒音やほこりなどのクレーム


大規模修繕工事では、建物の周りに足場を組み、大型の工事車両、多くの作業員が出入りします。そのため騒音や振動、ほこり、塗料の臭いなどが発生します。


また、工事内容によりバルコニーに出られない、洗濯物を干せない日などさまざまなストレスからクレームになる可能性があります。


 


●近隣住民とのトラブル


大規模修繕工事では、建物の周りに足場を組み、大型の工事車両、多くの作業員が出入りするため、マンションの住民だけでなく近隣住民とのトラブルも発生する可能性があります。


騒音や振動、ほこり、塗料の臭いなどの不快感などがトラブルの原因となります。


 


●空き巣被害


大規模修繕工事では足場を設置するため、誰でも窓から侵入できる状況です。


また、工事中はオートロックが解除され開放されている場合もあります。


工事作業員など人の出入りが多いため、不審者が入りやすく空き巣にとっては好条件な環境なため、空き巣被害の可能性が高くなります。


 


●追加工事トラブル


事前調査で特定できなかった配管の故障や躯体の劣化などが判明し、思いがけない追加工事が必要になるケースがあり、工事費用の不足などのトラブルに発展します。


 


 


【大規模修繕工事後のトラブル】


●施工ミス


悪質な業者や技術力の低い業者の施工で、施工ミスや遅延の可能性があります。


見た目はきれいでも適切な補修がされていないため、症状がすぐ再発する、外壁タイルの色や質感など思っていた仕上がりと違うなどのトラブルがあります。


大規模修繕工事のトラブルを未然に防ぐ3つの対処法

1 長期修繕計画の定期的な見直し


マンションの劣化は予想通りではありません。


建設当初に決められた長期修繕計画では、工事内容も工事費用も異なる可能性があります。定期的な見直しをし、工事費用不足のリスクを減らしましょう。


 


2 実績豊富で信頼できる施工会社に依頼する


大規模修繕工事の実績豊富な施工会社を選ぶこともポイントです。


工事を円滑に進めることができるだけでなく、住民へに対応も慣れているのでトラブルのリスクも減らすことができます。


レスポンスが早い、現場監督の対応が良いなど信頼できる施工会社を選びましょう。


また、瑕疵保険に加入しているかも確認が必要です。


瑕疵保険とは、大規模修繕を安心・安全に行うための検査と保証がセットになっている保険です。第三者の建築士が施工前と施工後にチェックをするので、施工ミスを阻止することができ、欠陥があった場合は保険金が振り込まれ、補修します。


 


3 居住者・近隣住民への事前説明の徹底


居住者・近隣住民への事前説明を徹底しましょう。


大規模修繕工事は大掛かりな工事です。


居住者だけでなく、近隣住民の方にとっても工事の騒音や振動、臭いなどストレスを感じる可能性があります。


(居住者)


エントランスの掲示板に工事状況をリアルタイムで告知する


各住居のポストに工事スケジュールの投函する


(近隣住民)


工事前に、挨拶とお知らせを徹底する


工事内容・スケジュールを丁寧に説明する


工事に関する質問や意見の問合せ先をお知らせする


 


大規模修繕工事は、「長期修繕計画の定期的な見直し」「実績豊富で信頼できる施工会社に依頼する」「居住者・近隣住民への事前説明の徹底」の3つの対処法ができれば、多くのトラブルを回避することが可能です。


大規模修繕に関して不安な点や気になることがありましたら、お気軽にお問い合わせください。