塗料には、溶剤型と無溶剤型の2つの主要なタイプがあります。
それぞれに特徴があり、使用する環境や目的に応じて選ばれます。
このコラムでは、両者の違い、メリット、デメリットについて詳しく説明します。
溶剤型塗料は、揮発性有機化合物(VOC)を含む溶剤を使用して塗料を液状にするタイプの塗料です。
これにより、塗料の粘度が調整され、スプレーやローラーなどでの塗布が容易になります。
無溶剤型塗料は、溶剤を使用せずに塗膜を形成する塗料です。
主に水を基材とする水性塗料や、反応硬化型のエポキシ塗料などが含まれます。
大気中に排出される有機化合物の中でも塗料、インク、接着剤、洗浄剤などから排出されるものが全体の75%にも及ぶため、業種別に見ても塗料を多く扱う業種が有機化合物を多く大気に排出しています。
塗料の成分は顔料、樹脂、添加剤、溶剤(または水)の4つでできています。
顔料、樹脂、添加剤は液体ではないため溶剤か水で溶かして塗装します。
有機溶剤で溶かすのが油性塗料、水で溶かすのが水性塗料となります。
油性塗料は有機溶剤のシンナーを使って溶かします。
塗料を多く扱う業種が有機化合物を多く排出してしていることから、近年、VOCの放出規制などが法整備され塗料業界もVOC対策が進んできました。
VOCの排出をできるだけ少なくするために、無溶剤系塗料水系塗料などが最近では使われるようになりました。
溶剤型と無溶剤型塗料にはそれぞれの利点と欠点があり、使用目的や環境に応じて適切な選択が求められます。
環境や健康に配慮する場合は無溶剤型塗料が推奨される一方、耐候性や乾燥時間を重視する場合は溶剤型塗料が適しています。
各種規制や安全性の観点からも、選択には十分な考慮が必要です。