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コラムColumn

塗料について~溶剤型と無溶剤型~

塗料には、溶剤型と無溶剤型の2つの主要なタイプがあります。

それぞれに特徴があり、使用する環境や目的に応じて選ばれます。

このコラムでは、両者の違い、メリット、デメリットについて詳しく説明します。

目次

溶剤型塗料とは?

溶剤型塗料は、揮発性有機化合物(VOC)を含む溶剤を使用して塗料を液状にするタイプの塗料です。


これにより、塗料の粘度が調整され、スプレーやローラーなどでの塗布が容易になります。


メリット



  1. 適用範囲の広さ: 溶剤型塗料は多くの材料に適用可能で、木材、金属、プラスチックなどさまざまな基材に使用できます。

  2. 乾燥時間の短さ: 溶剤の蒸発により、塗膜が比較的短時間で乾燥します。

  3. 耐候性: 溶剤型塗料は耐候性が高く、屋外での使用に適しています。


デメリット



  1. 環境への影響: VOCを含むため、大気汚染や健康への影響が懸念されます。特に、作業環境での換気が不十分な場合、作業者の健康リスクが高まる可能性があります。

  2. 防火リスク: 溶剤が揮発性であるため、火災のリスクがあります。

  3. 使用の制約: 規制が厳しい地域では、VOCの排出量に制限が設けられているため、使用が制約されることがあります。


無溶剤型とは?

無溶剤型塗料は、溶剤を使用せずに塗膜を形成する塗料です。


主に水を基材とする水性塗料や、反応硬化型のエポキシ塗料などが含まれます。


メリット



  1. 環境への配慮: 無溶剤型塗料はVOCを含まないか、極めて少量で済むため、環境に優しい選択肢となります。

  2. 安全性の向上: 火災のリスクが低く、作業者の健康リスクも少ないです。

  3. 清掃の容易さ: 水性塗料の場合、水で簡単に清掃できるため、メンテナンスが容易です。


デメリット



  1. 乾燥時間の長さ: 無溶剤型塗料は乾燥に時間がかかることがあり、特に湿度の高い環境ではさらに時間がかかることがあります。

  2. 適用範囲の制限: いくつかの無溶剤型塗料は、特定の基材に対して適用が難しい場合があります。

  3. 耐候性の課題: 無溶剤型塗料の中には、耐候性が劣るものもあり、屋外での使用に制約があることがあります。


VOCと塗料

大気中に排出される有機化合物の中でも塗料、インク、接着剤、洗浄剤などから排出されるものが全体の75%にも及ぶため、業種別に見ても塗料を多く扱う業種が有機化合物を多く大気に排出しています。


塗料の成分は顔料、樹脂、添加剤、溶剤(または水)の4つでできています。


顔料、樹脂、添加剤は液体ではないため溶剤か水で溶かして塗装します。


有機溶剤で溶かすのが油性塗料、水で溶かすのが水性塗料となります。


油性塗料は有機溶剤のシンナーを使って溶かします。


塗料を多く扱う業種が有機化合物を多く排出してしていることから、近年、VOCの放出規制などが法整備され塗料業界もVOC対策が進んできました。


VOCの排出をできるだけ少なくするために、無溶剤系塗料水系塗料などが最近では使われるようになりました。


まとめ

溶剤型と無溶剤型塗料にはそれぞれの利点と欠点があり、使用目的や環境に応じて適切な選択が求められます。


環境や健康に配慮する場合は無溶剤型塗料が推奨される一方、耐候性や乾燥時間を重視する場合は溶剤型塗料が適しています。


各種規制や安全性の観点からも、選択には十分な考慮が必要です。